likes and dislikes
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隣に座っていた嘩月さんが
いきなり俺にこんな事を聞いてきた。
「瀞蘭ってさー、好きな人おるの?」
顔色を窺いながらの質問。
用心ならず、思わず聞き返す。
「何をいきなり・・・。
どうかしたんですか?」
「気になってるから聞いただけやん。
ほら、好きな人おるのかって」
「はあ・・・います、けど」
「あぁ!?」
存在を否定しない俺の言葉に
嘩月さんは声を荒げた。
正直、怖い。
この人は何処かで
俺の隙を待っていそうだし。
だからといって俺もそんなに
警戒心が強い方じゃない。
そのせいでいつも和くんに
救われているのだけれど。
「いたら、マズい事でも?」
「うん。かなり」
「何でです?」
「俺が淋しくなるやん」
言葉を失い、
自分の耳を疑ってから
今度は俺が変な声を出した。
「はあ?」
自分の顔が引き攣っている気がする。
けれど嘩月さんは
反対に涼しい顔をしていた。
「俺が淋しくなる言うてんの。
俺まじ最近良い事無くて
そん中で瀞蘭が唯一の癒しなのになあ。
一瞬にしてフラれたな」
苦笑する嘩月さん。
ちょっと曇った横顔。
思わず、悪い事したかな、と思わされた。
が、すぐ正気に戻った。
「それは良かったですね」
「うっわ・・・きっつぅ。
和と一緒におるから
口が悪くなるんやで」
「そんな事ないですよ。
和くんは良い人です」
仲良くしてもらってる人をけなされて
思わずむっとする。
しかし其れがいけなかったのか、
嘩月さんはあらぬ方向へと
会話を進めた。
「あ、オマエ好きなやつ、
もしかして和なん?」
――どうしたらそうなるんだろう。
なんて思いながら、
慌てて否定した。
「違いますって!」
「ムキになってる辺りアヤシイで」
「ムキになってませんけど」
「じゃあ、俺でええやん」
「ええやん、じゃないですよ。
どうなったらそうなるんですか。
もう・・・嘩月さんと話してると疲れます」
そう言って席を立った俺の背中に
嘩月さんが声を掛けた。
「和に泣かされたら俺に言うんやで。
代わりに殴ったるから」
・・・アホらしくて付き合ってられん。
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この嘩月、可愛いよ?(笑)
ありがとありがと〜ティーセイありがとうv
題名は任されたので「好き嫌い」っていう意味で…そのままですね。
華代ちゃんに「嘩月が一方的すぎて、絶対瀞蘭怯えてるよ〜」とか言ってて、
そんな感じでイメージ通りに書いてくれました。
情けない男:嘩月がよくでてますよね。憎たらしさも。(笑)
こんなこといったら嘩月ファンの友達に怒られそうだけど。(笑)
(のち)
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