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気が付いたらNAOさんが寝ていた。
この人は本当によく寝る人で、電車の中でも車の中でも眠くなったらすぐ寝てしまう。

だからNAOさんの寝顔なんか見慣れているんだけど。

「NAOさーん・・・・・・」

本当に寝てるわけ?と思ってほっぺたを軽く叩いてみる。
でも身じろぎ一つしないし,完璧に寝てるNAOさん。
だとしたら、やっぱりこれって・・・ 

「俺SINくんじゃないですけど・・・」

------NAOさんは俺に抱き着いて寝てしまっているのだ。
今は某雑誌の撮影の待ち時間なんだけど、野外のロケでこれがまた異常なくらい寒い。
特にNAOさんはさっきからしきりと寒がってて、俺もカイロを貼ってあげたりしてたんだけど、
とうとう眠気に負けたみたいだ。
寒いんだろうし、眠くてよく分からないで俺に抱き着いているんだと思うけど、
SINくんや紺ちゃんに見られたら------と考えると、いろいろ面倒くさい。
代わりに毛布を取って来ようと思って、俺はNAOさんを離すことにした。

「NAOさん、ちょっとだけ離れてくれない?」
「・・・ん------・・・・・・」
「毛布取ってくるからさ」
「・・・・・・ん------・・・・・・」

起きたんだか何だかわからない声で答えるNAOさんだけど、体は相変わらず俺にも抱き着いてて、
全然離してくれようとしない。
仕方なく無理矢理腕を外させようとして------そうしたらNAOさんが目を開けた。
顔をちょっとだけ上げて、俺を見つめてくる。

「何?」
「・・・寒いから、イヤ」
「・・・・・・だからね・・・NAOさん・・・・・・」

そう呟くように言ったNAOさんは、再びしっかりと俺にしがみついて寝てしまった。
こうなると俺が何を言っても動いてくれない------と言うか、これ以上何かするのもためらわれて、
俺は諦めざるを得なくなる。

それにしても、NAOさんって無防備な人だ。
メンバーだからかもしれないけど、警戒心がまったくない。
今だって子供みたいな顔して寝てるけど、でも普通にしてると、けっこう美人なんだよね。この人。
長い黒髪はキレイだし、顔立ちもキレイで、細くて頼りない雰囲気。
性格もすごいボケだから、なんだか放っておけない感じで。
…そうやって見ていくと、SINくんの気持ちがわかる気もする。
何かとNAOさんに注意したりして構っているけど、その度にちょっと嬉しそうな顔をするNAOさんは、
俺でも可愛いと思っちゃうし。
何より二人とも幸せそうなのが微笑ましい。


「…でも、SINくんが怒ったらNAOさんのせいだからね?」




<END>

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雪緒さん曰く「ネタから仕上げまで45分でできるか挑戦した作品」だそうです。
45分=学校の授業時間というわけで、保健の授業中に書き上げてくれました。
元ネタはLa'Mule裏表紙、今月のViciousからです。「未公開の理由」でISUKEがNAOにカイロを
貼ってあげていたとかいうのがね・・・妄想をかきたてたわけですね(笑)。
微笑ましくてよいです♪   

<のち>

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